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働き方改革記事「 オフィス環境 」

違いは何?レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペース、サテライトオフィスを比較

投稿日:2021-01-08

コロナ以降テレワークが浸透するとともに、巷では従来の賃貸オフィスとは異なるワークスペースが増えています。特によく耳にするのが、シェアオフィス、レンタルオフィス、コワーキングスペース、サテライトオフィス。聞いたことはあるけど、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?それぞれの違いを理解して、自社に合ったワークプレイスを選びましょう。

それぞれの特徴は?

以下の表はワークスペースごとの特徴を一覧にまとめたものです。次の章ではそれぞれの項目について解説していきます。

タイトル
※各々のワークスペースを運営する会社により詳細は異なります。ここでは一般的な理解の元で一覧にまとめています。

シェアオフィス

シェアオフィスとは、1つのオフィスを複数の企業や団体、個人が共同で利用するオフィスの総称です。日本では昔から弁護士や税理士など士業を中心に、数人(数社)の同業者が賃料を出し合い1つのオフィスを借りることがよくありました。1人(1社)だけでオフィスを借りるよりも安く済み、同業者同士でノウハウを共有したり、仕事を融通したり様々なメリットがあったからです。

それが2010年代に入ってからは、モバイルワークの普及や働き方改革の時流を追い風に、異業種の企業や団体、個人がオフィスを共有するシェアオフィスが都市部を中心に急増してきました。

シェアオフィスの最大の特長は、会議室やOA機器、給湯スペースなどを共有することで賃貸オフィスよりも割安に利用できる点です。また、本社とシェアオフィスを併用することによって時間と場所に縛られない働き方が可能になり、働きやすさや生産性の向上も期待できます。

ただ、シェアオフィスとひとくちに言ってもその運営形態やサービス内容は千差万別。実は、明確な定義がないのです。そこで今回は一般的な理解に則って、シェアオフィスの中でもメジャーなレンタルオフィスとコワーキングスペースについて次の章でそれぞれ説明していきます。

レンタルオフィス

①少ない初期費用で専用個室が借りられる
レンタルオフィスとは、オフィス家具や通信環境があらかじめ整備されたフロアに設置されている、複数ある個室のうち一室を専有できるオフィス形態を意味します。OA機器や会議室などを他の入居者と共同で使う分、賃貸オフィスよりも安い賃料で済み、敷金や保証金、入居工事などが不要で初期費用を抑えられるのが最大のメリットです。

②ビジネスライクな印象で信頼度UP
レンタルオフィスの中には、丸の内や大手町などにあるハイグレードビルにオフィスを構えているところもあります。通常の賃貸オフィスなら高額すぎて入居できないようなビジネス一等地でも、レンタルオフィスなら割安で利用できることがあるため、信頼感やステータスを重視したいスタートアップ企業にはおすすめです。

③退去や移転が簡単
賃貸オフィスでは賃貸借契約期間や原状回復義務などの関係で気軽に移転することはできませんが、レンタルオフィスなら私物の撤去だけで済む(※)ので退去が簡単。会社の成長規模に併せて身軽に移転できます。また、多くのレンタルオフィスでは1~2人用から10人以上で利用できる大部屋まで様々な広さの部屋が用意されているので、空きさえあればフロア内で容易に区画移動ができます。
※別途、清掃費等が必要になるケースもあります。

コワーキングスペース

①利用者同士の交流が活発
「共に」という意味のcoと「働く」を意味するworkingを合わせた造語で、ひとつのオフィスを複数の企業や個人で共有するオフィスのことです。レンタルオフィスとの最大の違いは利用者同士の交流に重点を置いている点でしょう。
単にワークスペースを共有するだけでなく、利用者同士が活発に交流を持つことで、アイデアやインスピレーションを得たり、人脈を広げたり、さらにビジネス上のコラボレーションに発展したりする事も珍しくありません。
利用者同士をつなぎ、交流を活性化させる役割のコーディネーターと呼ばれる人物が常駐していることが多く、外部から参加者を招いて行う交流会やビジネスセミナーなどのイベントを開催しているところも数多くあります。

②オープン席が多い分、割安感がある
個室中心のレンタルオフィスに対して、コワーキングスペースではオープン席やコミュニケーションエリアの割合が大きいのが特徴です。個室または半個室のようなブース席エリアと、フリーアドレス方式のオープンエリアとを併設しているケースが多いようです。

③気軽に使えるドロップイン利用も
入会登録なしで一日もしくは数時間だけ使えるドロップイン利用を受け入れているコワーキングスペースもあります。そのため、自宅では仕事がしづらいテレワーカーや外回り中のビジネスマンなども気軽に利用することができます。

④セキュリティ対策に要注意
ただ、ドロップインを受け入れているということは、バックグラウンドが把握できていない人も出入りするということですから、情報漏洩や覗き見などのリスクがないとは言い切れません。
オープンエリアで電話やWEB会議をするのは気を遣うため、フォンブースのあるコワーキングスペースも増えていますが、電話の度にいちいち移動するのは面倒ですし、私物盗難のリスクも気になるところです。
割安で使い勝手が良いメリットと、業務の守秘性などとのバランスをよく検討して利用するのが良いでしょう。

サテライトオフィス

本社以外の働く場所としてシェアオフィスと共にその数を増やしているのがサテライトオフィスです。サテライトオフィスとは、企業の本社や団体の本拠地から離れた場所にあるサブオフィスのことで、地球の周りを回る人工衛星「satelight」から名付けられました。
※レンタルオフィスのように複数の企業・団体が利用するサテライトオフィスもありますが、ここでは企業・団体が独自に設けるサテライトオフィスを取り上げます。

移動時間短縮や外出先での仕事場所の確保を目的として設けるケースが多いのですが、設置する場所によってその効果は少し異なります。ここでは大まかに3つのパターンに分けて説明します。

①職住近接が実現「郊外型」
都心から離れた郊外に設置することで、職住近接が可能になり、通勤の負担軽減やワークライフバランス実現が期待できます。また、働きやすい環境を整備することで採用力の強化や離職率の低下にも効果が見込めるでしょう。
最近では在宅勤務が増えていますが、自宅だと通信環境が不十分だったり、家族がいて集中できなかったり何かと不便があるもの。しかし、自宅近くにサテライトオフィスがあれば、長時間通勤をしなくても会社と限りなく近い環境で効率的に仕事ができます。

②外回りの移動時間を削減「都市型」
営業マンなど外回りが多い社員の為のタッチダウンオフィスとして設置されるケースです。カフェや駅のホームでノートPCを広げて作業するのは情報漏洩のリスクが高すぎます。かといって、営業先と本社を一日何度も往復するのは移動時間のムダ。ということで、取引先の多い都心の何ヶ所かにサテライトオフィスを設けて移動時間を減らしつつ、外出先でも効率的かつ安全に仕事ができる場所を確保するのが目的です。

③BCP対策を兼ねた「地方型」
本社機能は都心に残しつつ地方にサテライトオフィスを設ける企業が増えています。自然豊かな土地でゆとりある生活を送ることで、生産性やクリエイティビティの向上に繋がると期待されているからです。また、オフィス機能を分散させることでBCP(非常時の事業継続性)対策にもなります。
受け入れる自治体側も地方創生の機運の高まりと共に、オフィス開設助成金や移住助成金など手厚い支援制度を始めるところが増えています。もともと都心に比べて格段にオフィス賃料の安い地方都市ですが、更にコスト的なハードルが下がっていることも地方型サテライトオフィス開設の追い風になっています。

さいごに

それぞれの特徴をまとめると
・シェアオフィス…ひとつの場所を複数社(人)で共同利用するオフィスの総称
・レンタルオフィス…少ない初期費用で専用個室が借りられるオフィス
・コワーキングスペース…利用者同士の積極的な交流が特徴のオフィス
・サテライトオフィス…本社(本拠地)から離れた場所に設置されるオフィス
となります。

明確な定義がない分、各々のシェアオフィスやサテライトオフィスによって、料金や運用ルール、サービス内容は大きく異なります。そのため、利用する前にはそれぞれのオフィスの利用規約の確認や内見を十分にしてから決めることをおすすめします。

ZXY働き方改革事例集

ZXY働き方改革事例集では、シェアオフィスやサテライトオフィスを活用している企業のインタビューやセミナーレポートを多数掲載しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

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