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株式会社アール・アイの働き方改革事例(後編)

信頼し合える人間関係を大切に、みんなで自由な働き方を描く

投稿日:2020-03-12  取材日:2020-01-28

株式会社アール・アイが取り組んだ事

  • 各人のスキルアップに基づいた「適切な分業」で、残業時間を削減
  • オフィスで飲み会! 培った人間関係で、働き方を柔軟に
  • 勤怠管理も各社員の“いい塩梅”に委ねて、自主性を満足度につなげる
  • 会社規模

    30人

  • 業種

    情報通信業

  • 対象職種

    全社員

    企画・管理

前編に引き続き、「株式会社アール・アイ (RI Co., Ltd.)」の働き方改革事例をご紹介していきます。

オフィスの中に日本酒ストックがあって、19時過ぎたら乾杯!? 枠にはまらず、自由に夢を語る。働き方改革をこそ、今、前向きに語ろう。そんな風に思わせてくれる、未来志向の好事例です。

一人ひとりのスキルアップが、残業時間を削減させる

今回お話を伺った営業推進室室長 増渕亮様(一番左)と営業部アカウントマネージャー小林秀和様(左から二番目)。写真撮影のためにオフィスにいたほかの社員様も呼んでいただき和気あいあいとした様子が垣間見れます。

一人ひとりのスキルアップが、残業時間を削減させる

平成29年に、「TOKYO働き方改革宣言」というのを出されていますよね。それを拝見し、感心したのですが、かなり厳密に数値的な目標を掲げておられるな、と。

そうですね。当時は、夜遅くまで仕事をすることが多く、有給取得率も低い状態で、明らかな課題がありました。そこで、会社として働き方改革を推進していくというのであれば、まずは、フットワークの軽い営業から目標を示していくべきだろうということで。当時の営業部長の想いから出された宣言です。

数値的には、「残業時間の対前年比30%削減」、「年次有給休暇取得率50%を目指す」といった目標を掲げました。

残業時間はどうやって減らしていかれたのでしょうか?

残業時間に関しては、「しっかりと分業を進めていこう」という観点にシフトさせていくことから始めました
よくある話ですが、当社でも、業務が特定のメンバーによって寡占される傾向があったので。パートナービジネスを始めたばかりで、会社が成長過程ということもあって、メンバー間で仕事の配分量が大きく偏っていたんですね。それを、再分配・調整していきました。

具体的に、どのようにして調整していかれたんですか? 業務の棚卸、みたいなことでしょうか?

近いですね。当時は、例えば、営業スキルだとか資料作成のスキルなどが、まだまだ十分でなかったんですね。ですので、どうしても、できる人に業務が集中して、その人の残業が増えてしまう、と。一方で、そうでない人は残業すべきでないことを残業に充ててしまっていたんです。

そういった状況を、徹底的に改善していきました。「資料が作れないなら、パワポのスキルを上げなさい」、「数値やグラフの資料が作れないなら、エクセルを勉強しなさい」と、地道にレクチャーをしていきました

なるほど。ただ、そうすると、一時的に業務時間は増えますよね。

はい。初期投資ですよね。個々人のスキルアップと、それに伴う仕事の効率化によって、今では、業務量の偏りも大分改善されてきて、一人ひとりの業務時間もかなり抑えられるようになってきていると実感しています。

社員の成長、生産性の向上によって、残業時間を抑制していくというのは、理想的だなと思いました!

あと、能力が高い人が入ってきた、というのも大きいです。そういう人たちと一緒に仕事をしていると、ぐぐっと全体が牽引されていくんですね。特に最近は、成長感を感じる時間を多く過ごさせてもらっているなと思っています。

ちょうどいい規模感と、部署をまたいだ親密な距離感

良い仲間たちと影響し合える環境なんですね。

そうですね。みんなに目が届きやすいサイズ感の組織ならではの強みでしょうか。現時点での会社規模でいうと、従業員30名ほどです。まだまだ、これからですね。ほんの3年前は14名。ようやく、倍程度になってきました。
会社の規模については、もちろん社長判断になりますが、おそらく、規模の大きさ(従業員の多さ)を追求してはいないと思います。それよりも、売り上げと利益ですね。従業員の数を頼みに売り上げを積んでいくよりも、個人個人が成長して、それぞれが大きな売り上げを上げていくことを目指したほうが、夢があるじゃないですか。

なるほど…、こういった顔の見える規模感だからこそ、営業視点も大事にされて、柔軟な働き方の構築へとアプローチできているんですね。

そうかもしれませんね。当社では、部をまたいだ交流も多いんですよ。外のお店に飲みに行くというよりは、このオフィスで懇親会を開いたり

え!? ここで?

そうなんです。週3で(笑)。

週3!? オフィスの中で、週3回も、みんなで飲むんですか(笑)?

19時を過ぎると、かんぱーい、という声が響いてきて。それでも仕事をしていると、「いつまで仕事やってるのー? ピザなくなるよ」って(笑)。社内の冷蔵庫には、日本酒の一升瓶が5本はストックされています。

それは、すごい(笑)!

この日本酒ストックは、営業からのお届けものなんですね。営業のトップが、開発や総務のメンバーにも、ということで、入手困難な各地の日本酒をどんどん会社に送りつけてくるんです(笑)。

社内の一室での飲み会の様子。日本酒などを片手に和気あいあいと飲み会が開催されるのだとか。

時代や各人のライフステージに合わせた、柔軟な働き方を

いいですねえ。メンバー間の親密さが伝わってきます(笑)。ちなみに、年齢の幅は?

今、それが一番の懸念点でして。実は、平均年齢が高くなってきているんです。やはり、会社の成長の鍵を握るのは、若手だと思っていますので。現在の最年少は30歳。みんな、30オーバーになっちゃいました。
あとは40代が多くて、平均年齢は、多分42、3といったところかと思います。なので、今後、20代半ばを積極的にリクルートしていきたいなと考えています。

30代、40代くらいって、仕事とプライベートのバランスで、悩みを抱えがちになる時期なんじゃないかと想像するのですが、みなさん、うまく両立されているんでしょうか?

それは、人によると思いますね。営業の社員で、小さいお子さんを抱える男性メンバーがいるのですが、その人は16時半くらいになったら、「じゃ」と言って、すぱっと帰っていくんですね。

え!?

当社では、モバイルワーク環境が整備されているので、例えば、共働きの家庭で保育園の送り迎えがあるといったケースでも、柔軟に対応することができるんです。奥さんが迎えに行けない時は、「じゃ、ぼく、帰ります」と言って保育園に向かい、その後、家で簡単な残りの仕事をこなす、といったみたいに。

それは、いいですね!

初めは戸惑いもあったと思います。でも、「育児中の社員に限ってという話でなく、会社全体として、フレキシブルな働き方を目指していきますよ」と、社員全員に周知していくことで、徐々に理解が浸透してきたのかな、と。
昔は、「えっ?」っ思うような働き方も、今ではもう“普通”になっていますので、当社でも、そういった環境を提供していけるよう心がけています。

社員全員、ですか。

一年以上在籍している社員には、上長の確認を取った上で、モバイルワークやテレワークをOKにしています。その確認も、形式張った申請書類があるわけでもなく、ささっとLINEで済ませます。もちろん、ちゃんとした理由は求められますが、ただ、そこも人間関係だなと思っています。

枠にはめるのは時代じゃない! 判断基準は、各自の“いい塩梅”

自宅以外の場所、例えば、カフェとか、それこそ「ZXY」のような第3のオフィスの利用については?

はい、もちろん認めています。例えば、お客様(販売の代理店さん)のオフィスが、とあるビルの4階にあります、と。そして、1階にカフェのテナントが入っているといった場合もあるので、そういった時は、お約束時間の1時間ほど前に現地に入り、そのカフェで提案資料を作ってしまう、なんていうのもOKです。

当社の就業時間は9〜18時なのですが、その間でも、オフィスにいるからといって、常にデスクに向かって仕事に集中しているというわけでもないんですよね。ですので、その就業時間の枠内で業務はすべて収めましょう、というスタンスには立っていません。タスクをしっかりこなしてくれている範囲においては、時間の枠については細かく言いません。そこは柔軟に、という感じですね。

自由度の高い働き方の中で、みなさん、オン・オフの切り替えについては、苦労されたりは? 勤怠管理はどのようにされているんですか?

勤怠はつけています。とはいえ、営業の業務って、なかなか割り切れないところもありまして。例えば、お客さまの接待は営業活動に入れるのかなど。そういった“グレー”な部分は、各自の“いい塩梅”で調整してもらっています。基本的には、お酒が入ったら、業務外という判断がなされることが多いですが。もちろん、資料作成を23時まで集中して行ったのであれば、23時までちゃんと残業がつきます。

お客様との飲み会でも、IT業界という特性上、いわゆる“接待”っぽくはならないんですね。交流会といった感じで。つまり、お客様との飲み会は、「会社の営業成績のための場」というよりも、「自分の仕事上のパイプづくりのための場」、という認識です。そのような場合、私個人としては、営業の経費に充てるつもりはありません。会社の経費で飲んで、その上、追加で残業代をもらうというのは、何か社長に申し訳ないな、って(笑)。

なるほど、おっしゃる通りですね。先ほど若手のリクルートを積極的にしたいというお話がありましたが、社会人として未熟な若手社員の労務管理に対して、なにか対策は考えておられるんですか?

勤怠ついてのセルフマネジメントに関しては、若手であれ、ある程度、任せていこうと思っています。もちろん、同時に、「若手たちの“いい塩梅”はどんなもんですか」と総務に尋ねることもやっていきますけれど。

そこからトライ・アンド・エラーを積み重ねていく、と。

そうです、そうです。枠にはめるのは、もう時代じゃないと思いますので。

社員の満足のために、今こそ夢を語ろう!

最後に、働き方改革についての目標や夢などありましたら、教えていただけますか?

出勤してくる、出勤してこない、というのが、今はまだちょっと曖昧なので、例えば、「週2回は必ず在宅で勤務する」と言ったふうに、在宅勤務やテレワークを、もう少し積極的に増やしていけたらいいかなと思っています。

残業については、完全になくすのは難しいですよね。ですので、同じ残業をするでも、ご家族が見えるところで残業できる環境を整えたい。小学生の娘さんなどに、「パパ、早く早く!」と急かされでもしたら、残業なんてせずに、一生懸命仕事するんじゃないかな、なんて(笑)。在宅なら、通勤時間も節約できますしね。

制度面については?

制度的には、現状、満たされているんじゃないかなと、個人的には思っています。もちろん、「ISMS認証(※)」も取得していますし、セキュリティの部分でも堅牢な環境を作りながら、その中でも、働き方に関する制度や考え方はとても柔軟ですので。

※ISMS認証とは:一般社団法人「情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)」が定めた評価制度のこと。ISMS適合性評価制度。企業の情報セキュリティマネジメントシステムが指定の審査機関によって審査され、国際基準と同等と認定された場合に認証が与えられる。

今からお話する話が「働き方改革」の文脈には合うかはわかりませんが、プラスアルファでやっていきたいなと思っているのが、会社の福利厚生の拡充です。最近とある企業の社員食堂を見学させていただいたんです。すごいですよ。ジョッキビール、1杯300円。

え!? 安い。と言うか、社員食堂でビールが飲めるんですか?

はい、そうなんですよ(笑)。夜はバーになるんですね。お肉も、ポンドステーキ1000円くらい。ポンドって言うと、約450gですよ。大きいです。社食なので、安いんですよね。自社ビルだから、場所代などもかかっていないでしょうし。

なるほど。

将来的には、当社も、こういったカフェ&バーを開設していきたいですね。社内で“社員が集まれる場所”をしっかりと充実させていきたいというのと、取引先の皆様に来ていただける環境も整えていきたい。会社の価値を上げていくという意味もありますし、社員が満足感を持って仕事に取り組める、そんな環境を用意していくことが一番大切だと思いますので。

テレワークというのも、社員の働きやすさ・満足度を高めるために行うことの、数あるもののうちのひとつですよね。その延長で、こういった社内カフェを実現させたいと考えています。「今年、売り上げ好調なんだから、隣のビルを借りて、カフェつくっちゃおうよ」とか、そんな夢を語り合うのが、すごく楽しいです。その夢の実現に向けて、会社を成長させていきたいですね。

この事例と同じシリーズの事例

今回協力して下さった企業様

株式会社アール・アイ

設立
2005年3月
本社所在地
東京都千代田区神田鍛冶町
事業内容
バックアップソフトウェアの開発・販売
ユーティリティソフトウェアの開発・販売
クラウドサービスの提供・販売
Webサイト
http://www.ri-ir.co.jp/

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