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サテライトオフィスの導入・利用を、悔いのないものとしたい、今回は、そんなふうに思う方に、特におすすめしたい記事です。
「サテライトオフィス」というものを、深堀ってみる
【サテライトオフィスとは】
「サテライトオフィス」とはどんな種類のオフィスなのか、まず復習です。
サテライトオフィスとは、本社などのメインオフィスを中心として、「satellite(衛星)」のように周辺に設置される小規模なオフィスのこと。テレワーク(※1)の一種で、従業員が遠隔勤務できるように、通信環境が整えられているのが一般的です。
ちなみに、本社の周りに設置されるオフィスとしては、「支店」や「支社」が思い浮かびますが、この両者とサテライトオフィスは、一体何が違うのでしょうか? その違いは、ずばり、”利用目的”にあります。「支店」や「支社」は、あくまでも事業遂行の観点から設置されるものなので、会社の業務全般がつつがなく遂行されるよう、設備や施設にかかる投資も大きくなりがちです。一方、サテライトオフィスは、従業員の利便性やワークライフバランスの向上といった観点から設置されるもの。そのため、サテライトオフィスの施設規模や設備は、必要最小限なものに抑えられる傾向にあります。
※1
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、時間や場所にとらわれないフレキシブルな働き方のことです。「tele=離れたところ」「work=働く」をあわせた造語。自宅で業務を行う「在宅勤務」、移動中などにPCやスマホを使って業務を行う「モバイルワーク」、オフィス以外のワークスペース(レンタルオフィスなど)で勤務する「サテライトオフィス勤務」の3種類に大別されます。
※参考
「サテライトオフィスとシェアオフィスの違い」について、詳しくはこちらをご覧ください。
日本におけるサテライトオフィスの歴史
初期:サテライトオフィスの実験的設置から、一般的な認知まで
1980年代は、アメリカで普及していたテレワークが日本にも上陸し始めた時期。そんな中、1984年に、東京・吉祥寺で日本初となるサテライトオフィスがNECによって開設されました(自社内での実験的な取り組みとして)。その後、1988年には、富士ゼロックス、内田洋行、NTTグループ、鹿島建設、リクルートが、「志木サテライトオフィス(埼玉・志木市)」を共同設置。これをきっかけに、“新しい時代の働き方”として、「サテライトオフィス」が広く世間に認知されるようになりました。
中期:バブル崩壊によって、サテライトオフィスの目的に変化が
バブル経済の最盛期(1988~1992年)には、全国的に地価が高騰したため、郊外にサテライトオフィスが数多く設置されました(パソコンも十分に普及していなかったので、在宅勤務やモバイルワークは困難な時代でした)。1993年にバブルが崩壊すると、都心のオフィス賃料が下がり、一転、サテライトオフィスの開設は下火に。しかし、その後、1990年代後半になるとパソコンが普及し始め、在宅勤務が再評価されるようになります(SOHO=Small Office Home Officeの誕生)。同時に、サテライトオフィスが地方での雇用創出やハンデキャップを持つ人たちのために使われるようになるなど、サテライトオフィスが果たす役割が多様化してきた時代でもあります。
直近:ICTの進化と、生産性向上や働き方改善への意識の高まり
21世紀の前夜から、ICT(情報通信技術)が急速に進化したことにより、パソコンやインターネットの利用が一般的に普及していきます。伴って、テレワークやサテライトオフィスが再び注目を集めるようになっていきました。バブル期のサテライトオフィスは、「地価の変動対策」として開設されることが多かったのですが、この頃には、「生産性の向上」や「ワークライフバランスの改善」を目的に導入されるようになってきました。”企業目線のニーズ”から、”ワーカー目線のニーズ”へ。これは、見逃せない変化です。
現在:働き方改革と地方創生の文脈で、サテライトオフィスが三たび注目
人口減少社会にあって労働人口の不足が叫ばれる中で、長時間労働や非正規・正社員の格差拡大などの問題が深刻化してきました。そこで登場したのが、「働き方改革」という取り組みです。この「働き方改革」を旗頭として、ICTの進化を追い風にクラウド型の業務システムが次々と構築されていき、働く人の多様なニーズを満たす環境が急速に整えられていきました。さらに、東京一極集中の是正を掲げた「地方創生」の流れも、サテライトオフィスの普及を強力に後押ししていきます。そんな中、2020年春、新型コロナウイルスが世界的に流行。半強制的に行うことになった在宅勤務の問題(仕事とプレイベートの切り替えの難しさ、セキュリティの不備、孤独感、家庭の問題etc.)が様々に指摘される中で、「メインオフィス」と「在宅」の、ちょうど真ん中くらいに位置する「サテライトオフィス」が、現在、三たび注目を集め始めている、というわけです。
サテライトオフィスの種類
開設場所による分類
■外部サテライトオフィス
会社の外部に設置するサテライトオフィスには、以下の3つのタイプがあります。
1、都市型サテライトオフィス
その名の通り、東京駅や新宿駅、渋谷駅、品川駅など、企業が集積する都市部に設置されたサテライトオフィスのこと。営業社員の移動効率化のための拠点(第2・第3の営業拠点)として使用されるケースが多く、その他にも、たとえば、災害時のBCP対策(事業継続対策)やワーカーの多様な働き方を実現するための「分散オフィス」として設置されることもあります。
2、郊外型サテライトオフィス
社員が暮らす郊外、住宅街にあるサテライトオフィスです。主に都市部に本社がある企業が、子育てや介護など、家庭の事情で通勤が困難な社員のために設置します。満員電車での通勤ストレスを軽減することができ、社員のワークライフバランス向上に寄与します。また、交通費の削減や離職防止にもつながり、会社としても、大きなメリットを感じられることでしょう。ザイマックスが運営するサテライトオフィス「ZXY[ジザイ]」は、都心にも多くの拠点がありますが、郊外にも店舗を拡大しているのが大きな特長です。
3、地方型サテライトオフィス
都市部に本社や本部がある企業が、離れた地方に設置するオフィススペースのことです(支社や支店とは別のものとして)。未進出の地方で新たなビジネスをスタートさせる拠点や、事業拡大のトライアルの場として機能することが期待されます。また、こうした「地方型サテライトオフィス」は、全国の地方自治体などが設置する(設置を支援する)場合もあります。地方移住して自然に囲まれた環境で働くことによって、社員のワークライフバランスや労働生産性が向上したり、地方での新たな人材確保が進んだり、それによって地域経済が活性化されたりと、企業・従業員・地域の三者共に、様々なメリットを享受できる可能性があります。
■自社サテライトオフィス
従業員数が一定以上いる企業の場合は、外部サテライトオフィスではなく、自社が持つ既存の社屋内でサテライトオフィスを開設するパターンもあります。
4、自社内型サテライトオフィス
本社や支店の一部区画をサテライトオフィスとして開放し、自社の社員が拠点間の垣根を越えて自由に使えるようにしたものです。拠点を多く保有する企業が設置するパターンが多く、拠点間で移動や出張をする際に重宝されます。例えば、出張先での業務が終わった後に、わざわざ、残タスクを処理するために、所属部署のあるオフィスにまで戻るというのは、いかにも非効率的です。残タスクは出張先のサテライトオフィスで済ませ、そのまま直帰することで業務効率化を図ろう、というわけです。ちなみに、この「自社内サテライトオフィス」は、以前は地方都市で多く見られましたが、近年は、従業員の職住近接ニーズから、都心郊外に複数開設するパターンが増えてきています。
契約形態による分類
1、専用型サテライトオフィス
自社または自社のグループ企業の従業員が専用で利用できるサテライトオフィスです。このメリットは、上の「4、自社内型サテライトオフィス」の中でお伝えした通り。外部のオフィスサービスをレンタルなどで利用するのではなく、自らでサテライトオフィスの開設を進めていく必要があるので、マンパワーやノウハウ、コスト等がどうしてもかかってきます(※)。
※自社内に専用型のサテライトオフィスを作りたいけれど、開設についてのノウハウやアクションプランがない・不足している、という方へ。ザイマックスでは、自社内に設置する「専用型サテライトオフィス」の開設サポートも行っています。どうぞ、お気軽にお問い合わせ下さい。
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2、共用型サテライトオフィス
「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」などがあり、複数の企業・ワーカーが共同のワークプレイスを共有して利用するタイプのオフィスです。契約企業の従業員だけでなく、ノマド的な働き方をするフリーランスや、スタートアップで専用オフィスを持たない起業家など、多様な属性のワーカーに活用されています。サテライトオフィス「ZXY[ジザイ]」は、この「共用型サテライトオフィス」に当てはまります。
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