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ママスクエアの働き方改革事例

子どものそばで働ける世の中を当たり前に。活かせ!156万人の「主婦力」

投稿日:2018-12-25  最終更新日:2019-02-21  取材日:2018-09-20

  • 会社規模

    300人

  • 業種

    サービス業

  • 対象職種

    全社員

「働きたくても働けない」そんな主婦が全国には156万人いるとも言われています。
一方で、企業の人手不足は深刻さを増すばかり。この両者を繋ぐ、新しいワークスタイルを実現しているのが
株式会社ママスクエア。数々のメディアに取り上げられ最近では小池都知事が視察に訪れるなど、注目を集める急成長企業です。
同社が出店を進めるのは、保育園とも在宅勤務とも違うママが子どものそばで働けるキッズスペース付きオフィス「mama square(ママスクエア)」。今回はこのビジネスモデルと、同社が受託運営する「ちょくちょく…(現 ZXY)」キッズスペースについて、働き方改革を軸にお話を伺ってきました。

創業メンバーの一人である池田様(左)と、学生時代から「働き方」に興味があったという社長室 新宮様(右)

ママ、子ども、会社。みんながハッピーな働き方を実現

株式会社ママスクエアについて教えてください。

2014年の創業以来、「子どものそばで働ける世の中を当たり前に」をコンセプトとして、
キッズスペース付きワークスペース「ママスクエア」の運営やBPO(※)事業、託児施設運営などを主力業務にしています。直営店が関東から九州まで20拠点、「ちょくちょく…(現 ZXY)」キッズスペースを含む
託児業務受託施設が13拠点、FCが2拠点あります。
※BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業が業務を切り分けて外部業者にアウトソーシングするビジネス手法。

キッズスペース付きワークスペース「ママスクエア」について詳しく教えてください。

子連れで出勤してもらって、キッズスペースで子どもを預かっている間、隣のガラス越しにある
ワークスペースでママ達に働いてもらいます。仕事の内容は様々な企業から受託したBPO案件で、
テレマーケティングやデータ入力などを各自に割り振っています。
全国20ヶ所の「ママスクエア」直営店で働く約700人のパート従業員は、ほぼ育児中の主婦です。
全員が育児中という似たような境遇なので、お互いに助け合って仕事の穴をカバーしたり、シフト
調整できる職場環境も特徴だと思います。

「mama square(ママスクエア)」の店舗イメージ。大型商業施設のテナントとして入居する事が多く、 アクセスが良好な上、仕事帰りに買い物も済ませられるのでママ達に好評だという。

人手不足の時代ですが、御社は採用希望者が殺到しているそうですね。

時給などの条件だけにとらわれず、子どもと一緒に通えることや家の近くという立地の良さでこれだけ来ていただけるのは、もはや採用スキームと言ってもいいかもしれません。
「子どもの近くで働きたい」と多くの方が求めていたけれどできなかった働き方を
実現したのが「ママスクエア」なのだと思います。

「働きたいけど働けない」人材の活用がカギになる時代ですものね。

そうですね。働きたいけど働けない層といえば、主婦、外国人、シニア。
当社で受託しているBPO案件に対して、アウトプット期待値が高いのは外国人やシニアよりも主婦です。
企業側も効率化と人手不足解消の為、正社員では補えない業務を切り出してアウトソーシングする傾向が
強くなっています。そういった単発の仕事も、短時間勤務のママ達とマッチしています。
働きたいけど働けない主婦は全国で150万人にのぼると当社では見ています。
結婚や出産で退職して2~3年経ってしまうと、正社員で復職するのはとても大変なんです。
「ママスクエア」で働いて、ブランクを最小限に留めてスキルを磨けば社会復帰を早められる、
そして子どもが成長すればスキルを活かしてバリバリ働けるようになる、と。

「ママスクエア」で働く方はどんな方が多いですか?

「保育園に入れなかった」、「子どもの近くで働ける所を探していた」という方が多いです。
キッズスペースでの見守りの対象が1歳半以上の歩行できる乳幼児からなんですが、それ位の年齢になると離乳食も一段落して子連れで外出もしやすくなるんです。
だから、少し気持ちに余裕が出てきて「仕事復帰したい」、「社会と接点を持ちたい」と感じる方が増えてくるようですね。

「ママスクエア」で働く方の実際の声は?

育児を楽しむ事と働く事を両立し自己実現できた、とか、社会との接点を持つ意義を感じられる、
働ける喜びを感じている、という声が多いです。

御社のように子連れ出勤OKの企業は増えていますか?

はい。ただ、可能だとしても勤務時間が長かったり、通いにくい場所にあったりすると
採用希望者は一気に減ってしまうと思います。

仕事選びで、勤務地にそこまで影響力がありますか?

主婦は「家族をおろそかにしたくない」、「仕事と家庭を両立したい」という気持ちが強いんです。
例えば、午前中から仕事して帰ってすぐ夕食作って、となると通勤時間は掛けられないので
勤務地は近所か利便性の良い場所が求められるんです。

保育園では得られない、子連れ勤務ならではのメリットは?

保育園だと、乳児から6歳までの目まぐるしい成長過程をどうしても見逃してしまいがちです。
でも、「ママスクエア」ならば大切な幼少期を見守りながら働けるので、この子の為に頑張って働こう、という気持ちが強まるのかもと思いますね。
あとは、天災などの緊急時にも子どもが近くにいるのですぐにピックアップできたり、体調が微妙な時でも様子を見ながら仕事できるので、悪化する前にすぐ受診するなり何かしらの対処ができるので、結果的に業務に支障なく仕事が続けることができるメリットもあります。

キッズスペースの様子。自分の子を一緒に見ながらキッズスタッフとして働く従業員も多いという。

子どもが成長した後も御社で働き続ける方は多いですか?

すごく多いです。先日、派遣事業を開始したのもそのためです。
子どもが小さいうちから「ママスクエア」で働いていた方々は、ブランクが無いので短時間勤務であっても
新しい能力を蓄積できています。子どもが成長して長時間勤務ができるようになった時に、
一人の派遣社員として派遣先で力を発揮できる、と。長いスパンで従業員のキャリアを見続けたいんです。

連続性を持って女性のキャリアサポートをする、と。

はい。そこで、「ママスクエア」ならではの利点があるんです。
子どもは小さいころからママの働いている姿をガラス越しに見慣れています。だから、子どもが成長した後も、
自分が慣れ親しんだ「ママスクエア」で働く事に賛成してくれるから、すごく働きやすいし認めてくれるんです。

家族の同意が働きやすさにつながる

働く女性には、家族の同意が大切なんですね。

家族の存在って大切で、特に女性は配偶者や子どもが納得感を持って「ママの働く姿はかっこいい」と
言ってくれると、本人の生きがいにもなるし、結果として意欲向上や質の高い仕事にも繋がるんです。

親の働く姿ってなかなか見ないですものね。

0歳児でも自分なりに色々と見ているものです。ガラス越しとはいえ、同じ空間にいることが嬉しいですし、
ママが働く事に対する「認め感」に寄与してくれます。
大人が「仕事だから…」と言い訳して子どもに「もう会社に行かないで!」と言われる、なんてよくある
日常会話だと思います。でも、働く姿を見せてあげると「仕事してもいいよ」、「どんな仕事してるの?」
という方向に案外いくものなんです。

全国従業員の声を聞く目安箱「Mサポート」

創業からの4年間で世の中の変化は感じますか?

すごく変わってきていると思います。あってはならない事ですが過労死問題が大きく報道されて以降、
働き方改革という言葉を頻繁に耳にするようになりましたし、働く事そのものにここまで関心が行くんだ、と
改めてびっくりしています。ママ達も「なんで私達ばかりこんなに苦労しなくちゃいけないの?!」と
声を大にして言えるようになったのも、この2,3年だと思います。
営業活動をしていても認知度が高くなりましたし、当社の事業が世の中から注目されていることが
一つの証拠で、世間がようやく地殻変動を起こし始めた、と感じます。
本社は40名の小さな集団ですが「色々な働き方を試みようよ!」という熱い思いは
社員全員がずっと持っていましたし、その一人一人の想いがやっと実り始めています。

HPに掲載されている数々の協賛パートナー。引き合いの多さから、注目度の高さが伺える。

御社自体の働き方改革で、制度やツールで整備している事はありますか?

本社勤務の総務や営業担当40名のうち、持ち出しOKのPCを持っているのは営業マンや外出の多いスタッフ達です。
それ以外の職種は、セキュリティ的に基本的にNGにしています。在宅勤務も同じ理由から体調などの事情のある一部の社員だけに限定しています。会社が間もなく創立4年目を迎える所で、今まさに制度面を整備している最中です。
フラットに発言できる職場なので、部門ごとにどういう要望が強いのか、どんな働き方なら能力が発揮できるのか、意見交換をしながら整備して採択している段階です。
「働き方改革だ!」と言って、一方的にできた制度を使うだけではなくて、皆がどう働きたいかディスカッションできる環境も大事だと思います。

自分から意見しづらい社員も少なからずいらっしゃるのでは?

それもあって、「Mサポート」と名付けた目安箱を作りました。
完全匿名で意見や改善要求を投書できて、全て社長が目を通しています。距離が離れていて会えない分、
特に全国にある拠点から声が多く上がってきますね。建設的な意見も多く、精査して経営課題に
落とし込んでいます。企業理念は横軸で全員が持っているものの、働きにくさがあったとしたら
win-winな関係を削いでしまいますから。

それぞれが仕事に求めるものも事情も違いますから、働き方も一律なのはナンセンスですよね。

働きやすさって、発言のしやすさや聞いてくれる誰かがいる事が第一歩になると思うんです。
藤代社長の想いに皆が共鳴して働いている事や社長が社員の意見を寛容に聞いてくれたり、
アドバイスしてくれるスタンスというのも大きいと思います。

「ちょくちょく…(現 ZXY)」もご利用いただき、ありがとうございます。

色々な場所に店舗があるのが便利ですね。特に個室はとても集中できるので気に入っています。
充電器やちょっとした文具類も揃っていますし、立ち寄って仕事をしてすぐ次のアポに行けるので、
良く利用しています。

お仕事もかなり忙しい時期なのでは?

はい。でも、忙しいのと働きにくいのは別だと思うんです。
会社が急成長している時期ですから忙しいのは当たり前です。

急成長している現段階では流動的な制度の方が馴染む、と?

本社はそうかもしれませんが、拠点には約700名のパート従業員がいますので一定のルールは必要です。
その中で制度を運用してみて、トライ&エラーを重ねて改善をしています。

ワークスペースの様子。キッズスペースで遊ぶ我が子の姿をガラス越しに見つけて手を振る微笑ましい場面も。

社員が急激に増えると、人によって気持ちのブレが生まれたりしませんか?

面接時に当社のミッションとクレドを説明して賛同してくれる方だけをウェルカムしているので、
気持ちの温度にブレはないと思います。離職率の低さがその証拠ではないでしょうか。

保育者目線で語る、「ちょくちょく…(現 ZXY)」キッズスペースのメリット

「ちょくちょく…(現 ZXY)」キッズスペースは、運営者から見てどうですか?

運営者の目線からすると「子どもとパパが一緒に来られる場所を作ってくれてありがとう」という感じです。
お父さんって、休日でもすべてを家族との時間に費やせるわけじゃないですよね。
それでも平日なら仕事もできるし子どもとランチもできる時間だって作れるのは、
「ちょくちょく…(現 ZXY)」ならではのメリットだと思います。

父親は子どもと一緒に過ごす時間が少ないですもんね。

家に帰っても子どもはもう寝ていて、成長を見られる機会や一緒にいられる空間って父親は母親以上に少なくて。子どもはパパが大好きです。心を育てる大事な所です。子どももパパが手を振ってくれるだけで嬉しくて安心感が得られます。それが実現できる場が「ちょくちょく…(現 ZXY)」だと思います。

本日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

今回協力して下さった企業様

株式会社ママスクエア

設立
2014年12月24日
本社所在地
東京都港区芝5‒14‒13アセンド三田4階
事業内容
託児付ワーキングスペースの運営・展開、コールセンター事業、バックオフィス事業、マーケティングリサーチ業、保育・託児施設の運営、派遣事業、飲食店の運営その他、コンサルティング事業
従業員数
344人
Webサイト
https://mamasquare.co.jp/

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