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ピースマインド株式会社の働き方改革事例

投稿日:2020-05-01  取材日:2020-03-19

ピースマインド株式会社が取り組んだ事

  • SlackとZoomを活用したオープンでスピーディなコミュニケーション
  • 社員同士の出会いを誘発し、社員間交流が自然と生まれるオフィスレイアウト
  • 社内報やサンクスカードで気持ちを可視化して共有
  • 健康経営施策の推進による「健康経営優良法人」の認定を取得
  • 会社規模

    80人

  • 業種

    専門・技術サービス業

  • 対象職種

    企画・管理

社会や経済の変化が激しい昨今、従業員のメンタルやウェルネスの問題に企業側が主体的に取り組むことはもはや必須となりました。
今回お話を伺うのは、20年以上前から職場のメンタルヘルスケアに着目し、いち早くEAP(従業員支援プログラム)サービスを展開してきたピースマインド株式会社。“はたらくをよくする®”を企業ビジョンとする同社では、お客様のみならず自分達の“はたらくもよくする”働き方改革を実施。今年ついに健康経営優良法人の認定を取得するまでの道のりをインタビューしました。

ビジョンは、“はたらくをよくする®”

今回取材にご協力いただいた皆様。左から管理部 人事総務グループ グループ長 小島真理様、管理部 部長 田村昭彦様、代表取締役社長 荻原英人様、取締役 原田甲子郎様、広報PR室 室長 末木希様。

ビジョンは、“はたらくをよくする®”

本日はよろしくお願いします。早速ですが御社の業務内容から教えていただけますか。

荻原社長 当社は”はたらくをよくする®”をビジョンとして、国内外約1,000社の企業に従業員支援サービスを提供しています。例えば、働く人の仕事や生活上の課題解決支援をするEAP(※)や、ストレスチェックによる職場改善コンサルティングや研修など、”はたらく”にまつわる幅広い専門サービスを提供しています。

※EAP:Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略で、職場のメンタルヘルスケアからワーク・ライフのサポートまで社員の生産性向上をサポートするプログラム。社員のメンタル不調が生産性低下や企業の利益損失に直結することから、これを防ぐことを目的として導入する会社が日本でも増えている。

日本でも最近注目されるようになってきた、従業員の心の健康に関する分野ですね。

荻原社長 はい。当社が”はたらくをよくする®”をテーマにした専門企業ですから、私たち自ら社内の働き方もより良く、かつ、心身ともに健康な状態で働くことが重要だと考えています。それで2018年から本格的に働き方改革と健康経営を推進していくことになりました。

自分たち自身の“はたらく”も良くしていこうという流れが始まったわけですね。

田村氏 はい。それで、具体的な施策としては
・コミュニケーション促進としてオフィスのフリーアドレス化
・部門を超えたコミュニケーションの活性化を目的としたランチ時の会議室開放
・働き方の多様性を実現するためにサテライトオフィスZXYを利用
・社員の健康に関する研修
・「OFFICE DE YASAI」導入

などを実施して、今年ついに念願だった「健康経営優良法人」の認定を取得することができました。

おめでとうございます!どのようなメンバーでプロジェクトを進めて行かれたのでしょうか?

末木氏 人事制度に関する部分は人事チーム、オフィスレイアウトに関するものは総務チームが、という従来通りの建付けのものもありましたが、社員メンバーで自分たちの「はたらくをよく」したい、という思いを持った有志一人一人の行動が結果、プロジェクトのような機能を果たしていきました。

メンバーが自然に集まったというのが凄いですね!

末木氏 もともと“はたらくをよくする®”が会社のミッション・ビジョンなので、「自分たちの働き方が良くないといけないよね」という意識は社員がそれぞれに持っていました
そこで、“はたらくをよくする®”って何だろうと考えた時に、業務はもちろん、業務以外でもコミュニケーションが活性化するような、みんなが楽しいと思える事をやって行きたいね、と。そういう発想から色々な活動が生まれていきました。

オフィスについては後程お伺いするとして、健康に関する研修とはどんなものですか。

小島氏 初回実施については産業医の先生にアドバイスを求め、先生ご自身に「睡眠について」ご講話いただく形でスタートしました。その後は当社が提供している研修コンテンツのプロダクト理解も兼ねて、ピラティス・ジャイロキネシス・脳トレなど、3~4か月に一度開催しています。

脳トレですか?

小島氏 脳トレは、頭を柔らかくして新しい視点から物を見られるようになる効果がある様です。ピラティスもやってみると「私ってこんなに身体が硬くなってたの?!」とびっくりしました。
執務時間中なので全員が参加できるわけではありませんが、イベントでの学びは全社員に共有するようにしています。

参加型で楽しそうですね。

小島氏 参加者からも前向きな意見が多いですね。「(今まで人事発信でこのような催しがなかったので)これからも続けてほしい」「次はこんなテーマでやって欲しい!」など、アンケートから好意的な声が寄せられています。

今後さらにやりたいことはありますか。

小島氏 例えば、「全休」の他は「半休」しか取得できない設定の有給休暇制度に時間休制度を取り入れようと思っています
それから、アイデア段階ではありますが、短時間勤務制度を延長し、なんらかの形で小学校在籍中の子どもを持つ社員のサポートを実施したいと思っています。小1の壁や中学受験の問題などを考えると、サポート期間を長くできたらよいなと思っています。
田村氏 あとは女性社員向けの健康増進支援として、健康診断の女性向けオプション項目の補助を増やすことも検討しています。
こちらもアイデア段階ですが、万歩計で一日の歩数を計測して上位者を表彰する、とか。 “はたらくをよく”して、いきいきとした人と職場を増やす、ここに帰結するような形で考えていきたいですね。

社員同士の出会いを誘発する導線設計

オフィスのレイアウト変更をされたそうですね。

田村氏 はい。レイアウト変更のコンセプトは「オープンでスピーディなコミュニケーション」の促進です。まず2019年秋にフリーアドレス化をしました。そして今年は、部門間の垣根を打破できるよう、みんなが集まれる場所を社内に作りました。お客様へ最適なアプローチをするには部門を越えた協力が不可欠だからです。

具体的にどんな変更を?

原田氏 導線設計を見直して、普段接点がない人同士が出会うような状況を生み出すようにしました

休憩スペースや集中スペースも新たに作ったとか。

原田氏 はい。今のオフィスの窓は天井から床まで全面ガラスなので、すごく開放的で景色も良いんです。ただ、窓際の席は暑い/寒いが激しくて、執務には適さないというデメリットも…。
そこでレイアウト変更をして、窓際に休憩スペースを持ってきました。電子レンジや給水器など必ずみんなが使うものを集約して、ここに社員が集まるように設計しなおしました。
大幅なレイアウト変更は難しかったので、一部にABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を取り入れて、業務の内容に合わせて働く場所を変えられるように集中スペースを窓際に設けました。

実際やってみて効果はどうですか。

末木氏 部門を越えたコミュニケーションは増えていると感じます。休憩スペースが窓際に移動して、景色が良いしリフレッシュできて以前よりさらに盛り上がっていますね。本社は銀座なのでランチする場所はいくらでもあるのですが、敢えて社内でランチする社員はとても多いです。集中スペースも2席と限定されていてとても人気なので、朝早く出社した人から早い者勝ち状態になっています(笑)。

社員に人気の集中スペース。

スペースを捻出して新しい場所を作るのは大変だったのでは?

原田氏 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、在宅勤務の社員が増えてスペースにゆとりが多少生まれたからできたことかもしれません。今まで在宅勤務に踏み切れなかったけれど、今回やってみて「在宅でも全然いけるのでは?」と感じられました。これをチャンスと捉えて、働き方やオフィスレイアウトをもっと自由にトライしてもいいのかもと思っています。
もちろん以前からMAXの出社人数を計算して厳密に設計してきたベースはありましたが、今回の一件で、限られたスペースの中で最適化が進められていると思います。

SlackとZoomを活用し、円滑なコミュニケーションを実現

ICTツールの導入はされましたか?

荻原社長 昨年秋にSlackとZoomを全社導入しました。これで場所を問わず、オープンでスピード感のあるコミュニケーションができる下地が整いました

導入にあたって抵抗感やハードルはありませんでしたか?

原田氏 確かにそこは懸念点ではありましたが、みんなスムーズに使いこなしている印象ですね。
末木氏 新しいツールを導入する時、抵抗感がある人はゼロではないと思います。特にITツールならば尚更。でも、得意な人が率先して楽しんで使っていったり、便利な機能を拡散したりしていくうちに、全社で自然となじんできたのかな、と思います。

当初の目的“オープンでスピーディなコミュニケーション”は実現されつつある?

末木氏 そうですね。Slackは全社に開かれたものなので、新プロジェクトが立ち上がった時などは、興味があればだれでもウォッチできるようになりました。それにオープンになって可視化されたおかげで「あの部署って何やってるんだろう?」と普段業務上の接点が少ない部署の社員同士の相互理解が深まって新たなコミュニケーションが生まれるようになったと思います。

Slackならいつでも会話できますから便利ですよね。Slack上での発言ルールなどありますか?

原田氏 ルールはシンプルに、業務に関することはオープンなパブリックチャンネルでチャットすること。プライベートチャンネルで1対1の会話を控えることだけ設けました。
末木氏 あとは、厳密なルールではないですが、スタンプを押して既読の意思表示をするようにしています。スタンプの種類は自由で、オリジナルスタンプを作ったりしてみんな楽しく工夫して運用しています
原田氏 細かい話でいうと、「@マークの後のメンションに“さん”付けする/しない?!」などと話題になったことはありましたが、それはしなくてよいです、と。(笑)

レイアウト変更やICTツール導入に関して、KPIは設定していましたか?

田村氏 KPIは設定しませんでした。やろうと思えばいくらでも定量化もできますが、定量目標を作って計測すると、使う側が委縮して使いづらくなってしまうのではないかな、と。
原田氏 定量化ということでいえば、手書きのサンクスカードでありがとうの気持ちを見える化して共有している部門もあります。業務を手伝ってもらったりしたら、感謝の気持ちを紙に書いて掲示板に貼っていく。すると書いた人も書かれた人もサンクスポイントが溜まって、毎月末にポイントの上位者は表彰される仕組みです。
末木氏 オフラインでのコミュニケーションに関連していうと、社内報も紙で発行しています。

アナログな社内報が家族にも好評

立ちミーティングスペース。チームやプロジェクト単位のクイックなミーティングで活用される。

アナログな社内報が家族にも好評

紙の社内報ですか?

原田氏 はい。デジタル配信の方がコストは掛かりませんが、敢えて紙にこだわるのは、家に社内報を持ち帰って、「パパ・ママ、妻・夫、娘・息子はこんな仕事してるんだよ」「こんな人と一緒に働いてるんだよ」と家族にも一緒に見てもらいたいからという社内報編集長の思いがあるからです。”はたらくをよくする®”には家族やパートナーの存在が欠かせません。
末木氏 社内報を楽しみにしている社員の家族も結構多いです。

社内報にはどんなコンテンツが?

末木氏 毎号トップページは社長からのメッセージですが、それ以外のコンテンツは様々です。会社近くのおすすめランチや、子育てと仕事の両立についてのコーナー、新入社員の紹介、誕生日月の社員のお祝い、社員が執筆するコラムなど。

有志社員が編集・作成している社内報。社員のコラムが人気なのだとか。

魅力的な社内報ですね!

末木氏 ありがとうございます。弊社のnote(★こちら)でも「わたしたちのはたらくをよくする」取り組みを紹介しています。ぜひご覧ください!

では最後に、今後の御社の働き方についてビジョンを教えてください。

荻原社長 今まさにコロナショックで世界も揺れています。時代や社会情勢が変わっていく中で、次世代の働く人と組織の新しい関係や、先進的な働き方を我々自身も探索して実践し、リードしていきたいと考えています。当社は社員の女性比率7割とかなり多いこともあり、ライフステージやキャリア志向に合わせた柔軟な働き方や契約形態、その人が能力を発揮できる仕組みや環境を会社として提供していきたいと思っています。自分たちが社会経済環境に合わせて変化し続け、ベンチマークとなる存在でありたいですね。そして、これからもよりよい働き方をお客様に提供しつづけたいです。

今回協力して下さった企業様

ピースマインド株式会社

設立
設立2004年3月
創業
1998年9月
本社所在地
東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル
事業内容
EAP(従業員支援プログラム)サービス、メンタルヘルスに関するコンサルティング、人材育成や組織マネジメントを目的とした研修やアドバイサリー等
従業員数
76名
Webサイト
https://www.peacemind.co.jp/

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