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reqizの働き方改革事例

IT業界=ブラックの汚名返上。実働5時間制への挑戦。

投稿日:2019-05-09  最終更新日:2019-04-11  取材日:2019-03-20

reqiz株式会社が取り組んだ事

  • 常駐型SIerから自社開発へ事業移行、場所に縛られない働き方へシフト
  • 実働5時間/日を目標にモチベーション高く働ける労働環境を整備
  • 働く場所と時間を個人に委ね、地方や海外の優秀な人材採用を目指す
  • 会社規模

    10人

  • 業種

    情報通信業

  • 対象職種

    全社員

創業間もない頃からZXY(旧ちょくちょく…)を活用し、場所と時間に縛られない働き方を進めているreqiz(リキス)株式会社。ブラックに思われがちなIT業界の働き方に一石を投じ、世界に誇れるIT企業を目指す同社にお話を伺いました。

制約の多い常駐スタイルから脱却

御社の事業内容から教えていただけますか。

大きく2つありまして、
1つめが、アプリ開発やWEBサービス開発などのシステムインテグレーション(以下、SI)事業です。
2つめが、目下準備中ですがSaaS(※)サービスの提供。これらを半々でやっています。
SaaS…Software As A Serviceの略。サース、又はサーズ。従来はCD-ROMなど製品で提供していたソフトウェアをインターネット上で提供し、顧客にとって必要な機能だけを利用できるようにしたサービスのこと。

1つめのSI事業は、顧客先に常駐して開発や保守を行うスタイルですか。

はい。10人いる社員全員がほぼそうです。悪い言い方をすれば、そうならざるを得ないというか。今は、場所に縛られる傾向が強いですが、これからは働く場所を限定しないスタイルに移行していきたいと思っています。

そうしたいと思ったきっかけは?

勤務地を限定すると採用できる人も限られてしまいます。地方を含め、東京以外にも優秀なエンジニアはいるのに、今のまま常駐スタイルにこだわっていたらスキルの高い人材が採用できないからです。

創業当時から、働く場所の制約をなくしたい思いはあったのですか。

そうですね。元々は働く場所と時間を自社でコントロールすることができることから、サービス開発一本でやろうと思っていたので、その感覚はありましたね。でも、たまたまSI案件も貰ったので受注していくことになったんですが、お客様の中にも我々の意向を理解してくれるお客様が結構いらっしゃったので、「もしかしたらSI事業の方でも、常駐スタイルを緩和していけるのかも?」と思えてきたんです。

代表取締役社長兼CEO 新谷徹様(左)と技術マネージャ 寺島充雄様(右)

実働時間1日5時間が目標

今は港区浜松町に本社オフィスを構えていますね。

でも、本社オフィスの目的は郵便物や宅配便の取り継ぎが主になっていますね。
社員が集まる意味でのオフィスはほぼ必要ないと思っていて、ZXY(旧ちょくちょく…)を契約しているのも自宅から一番近いところにあるサテライトオフィスに通勤してもらおうという考えからです。もっといえば、働く場所は帰省先や旅行先でも構いません。

でも、実際離れて働くとマネジメントが難しくなりませんか。信頼感がないとマネージャー層は不安もあるのでは?

うーん、その心配はあまりないですね。もちろんサボることもできちゃいますけど、自分の場合は逆にやる気が出ます。だってWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)上にタスクがあるのが分かっていれば、サボることに対する自問自答の方が大きいはずですから。

離れて働くと承認プロセスや意思決定が曖昧になりがちでは?

そこは問題ないと思っています。経営目標とか予定計画をブレークダウンしてメンバーに渡しているので、その範囲である程度柔軟に動いてもらうのはアリですし、大きく逸脱していないかどうかチェック機構はないですが、普段のslack(ビジネスチャット)での会話などから掴んでいけると思っています。

働く時間についても制約はなくす方向ですか。

いつ働くかも個人に委ねて良いと思っています。今は実働8時間ですが、ゆくゆくは実働3~5時間くらいまで短縮したいです。その方が効率が良いと思うので。もちろん案件に対応できる動きはしないといけませんが、実働5時間になるなら1日のうちどこで働いてもいい、なんなら2日間で実働10時間でもOK、って感覚です。

成果さえきちんと出せば場所と時間は制約がない、と。

はい。それって社員からしたら、すごくモチベーションが上がりますよね。
例えば、朝起きて天気が良いと「仕事休んでどこか行きたいな」って思うことありませんか?我々が理想とするワークスタイルが実現すれば、そこで「じゃあ、どこか行っちゃおう!」って、その気持ちをそのまま行動に移せたりするわけです。むしろ、社員にはそうして欲しい。
だって、その気持ちを抑えながら仕事してもモチベーションもパフォーマンスも上がらないですよね。

IT業界=ブラックの偏見をなくしたい

ユニークな考えだと思いますが、そこに至った原体験があったんですか。

自分たちは「IT業界=ブラック」と揶揄され始めた頃から長らくこの業界にいますが、“IT業界は、徹夜と残業続きで長時間労働なのに給料は上がらないのが当たり前”みたいになっちゃっているのがすごく嫌でした。でも、ITが嫌いなわけじゃない。だから、こういうブラックな環境さえなくせばITをやりたい人も多いんじゃないか、と思うんです。

次に採用について伺いたいのですが、なにか心がけていることはありますか。

採用で重視するのは自律して働けるか否か、でしょうか。社員をルールで縛りたくないので、この意図を理解した上でパフォーマンスを発揮できる人を採用したいと思っています。

ルールで縛らない為にはマインドの共有も必要かと思いますが、そういう研修や教育などはあるのでしょうか。

新卒社員にはOJTのように一緒に付いて仕事を教えることはしますが、社員を”育てる”とか“教育する”感覚はあまりないですね。
自律して欲しいと考えてるのは、これからサービス展開をする時にマネージャーとして先導できる人材になって欲しいからです。いかに効率よく仕事をやるかモチベーションを上げてもらって、責任者として活躍して欲しいと思っています。採用時に「やりたいこと」を聞くんですが、そこで「やりたい」って思いを持ってる人は、入社後も自律して動いてくれます。
SIは従事しないといけない面があるので、そこを変えていきたいですね。自分たちの想いをコンテンツによって革新する側に行きたい、という人と働きたいです。

そういう思いを持つエンジニアは多いですか。

多いんじゃないでしょうか。前の会社でも「何のために仕事してるんだろう?」と疑問を抱くエンジニアは沢山いました。SI事業者ってバブルの時代に急成長して大きくなったものだから、考え方や会社の仕組みが古いままの大企業って結構多いんです。ITって先進的な分野なはずなのに、そこに矛盾を感じる人は多いですよ。

世界に誇れるIT企業になりたい

本社に集まって話す機会は少なそうですが、会話にもICTツールはよく使いますか。

そうですね。打ち合わせはZoom(TV会議システム)が基本です。Zoomなら何人でも参加できて、それこそ場所にとらわれずにできますから。
また、slackなら喋らなくていいので、外出先やZXY(旧ちょくちょく…)のようなサテライトオフィスでの情報漏えいリスクを減らせます。プロジェクト別のチャネルや雑談用チャネルなど、色々なチャネルが沢山ある状態です。集まるのは飲みに行く時くらいですかね。

コミュニケーションで気を付けている事はありますか。

縦ではなく横の繋がりを社員間で広げていくのを意識しています。例えば、違うプロジェクトメンバー同士でも意識的に情報交換をしたり、全社飲み会とかじゃなくて少人数の集まる場をもつようにしたりとか。

集合しやすくなるようなサポートを会社側がしているのですか。

今まさにそれをしたくて、考えているところです。ランチ代や飲み会費用の補助なり、どうしようかな、と。公平さを重視するなら現金支給かな、でもそれだと味気ないし領収書精算が面倒くさいし、なら電子マネーが良いかな、とか色々検討しています。

最後に、これからの目標やビジョンがあれば教えてください。

IT業界にはブラックなイメージが少なからずありますが、みんなが誇りを持てるIT企業にしたいです。事業内容もそうだし、働き方も他の会社からうらやましがられるようにまでなれたら良いな、と。
SaaSのサービス事業は、海外展開を視野に入れています。勝負する場所は日本ではなく世界。そういう意味でも、世界の中でもうらやましがられる存在になっていきたいですね。

今回協力して下さった企業様

reqiz株式会社

設立
2017年10月10日
本社所在地
東京都港区浜松町2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル
事業内容
システムインテグレーション事業、IT関連サービス開発事業等
従業員数
10名
Webサイト
https://www.reqiz.com/

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