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オフィスは将来いらなくなる?
早速ですが、ずばり将来オフィスは不要になるのでしょうか?
高柳)オフィスでしか体現できない所がありますから不要とは捉えていません。オフィスに行けば相手の温度感を伺いながら会話したり、反応を感じ取れたりできます。テレワークを推進してはいますが、自宅だと仕事がやりづらい人もいますしオフィスが必ずしも不要になるとは思っていません。
坂本)そうですね。目先では必要だと思うが、将来的にいらなくなる可能性はあると感じます。オフィスってコミュニケーションの手段、場でしかない。今の10代の皆さんは、生まれながらにコミュニケーションの築き方がオンラインベースになっている。つまりFace to Faceじゃなくても関係性の育て方を知っている世代が主役になると、コミュニケーションの場が必ずしもオフィスである必要はないのかもしれません。例えば、気心しれた仲間が集まって働くベンチャーとかなら既に不要になっている部分はあると思います。そういう意味で不要になる可能性はある。将来、別の役割は出てくるかもしれないが今のオフィスの役割の延長で行くと、オフィスが不要な組織や業種は出てくるかもしれませんね。
オフィスに本当に必要な機能とは?
坂本)難しいと思うが、一番欲しいのは快適さ、居心地の良さ。要は、仕事って真面目にやればやるほど大変。でも、やらなきゃいけない。コミュニケーションも仕事のために必要だって文脈で考えると、オフィスがどこよりも居心地よい、楽しいという状態になるのが理想。だって、集まっても雰囲気がギスギスしていたら良いコミュニケーションなんて生まれないですよね。
在宅/本社/サテライトの最適なバランスとは?
従業員が自律的に働く場所を選べるようにするにはどうしたら良い?
坂本)信頼関係の有無に尽きるのではないでしょうか。「どこで働いても良いよ」と言われたって、上司や同僚の顔が思い浮かんで「皆が出社するなら私もした方がいいかな…」「皆が行かないならいいや!」ってなっちゃう人も少なくないはずですから。
在宅勤務ではジョブ型を導入しなきゃいけないという議論もあるように、自分のなすべきことが明確になり、他の人からも認識され、その中で働く場所を選び、かつ他の人もそれが認識される。そういう信頼関係ができると本当の意味で自律的になれるんじゃないでしょうか。
サテライトオフィスの費用はどう考えてる?
坂本)どちらかというとサテライトは時間短縮による生産性向上という観点で考えているので今は正直アドオンに近いです。本当はサテライトをよく使う部署は、その分だけオフィス面積を圧縮したいという気持ちもありますが。サテライトのコストは事業部にダイレクトに付けてるので、部内の損益で使ってもらっていますので、アドオンで事業性が許す中で最大限使っていくものかなと考えています。
ただ、特定エリアのサテライト利用率が突出して高ければ、外部ではなく自社で新設することも考えられます。
質疑応答
■社員に対して在宅勤務補助は出していますか?
清水)ここからは視聴者の方々からチャットで頂いた質問をお聞きしたいと思います。在宅勤務の補助についていかがでしょうか。
坂本)社内ではすごく議論しています。在宅勤務とオフィス勤務が等価値なら自宅も働く場所だから補助が必要では?という考え方もある一方で、職種によって在宅割合が違うのに一律で良いのか?という意見もあるし。どこに準拠するか迷います。金額的にも小さくありませんから、経営観点やエンゲージメント観点、様々な観点からどのように誰にいくらどんな形で対応するのか検討を続けています。
高柳)もちろん社員から要望の声はあったりしますが、今後どうなるかは秋~冬の感染状況等を見ながら検討するのではないかと思います。
■在宅勤務が上手くいかず業績が下降気味。何か良い手はありませんか?
坂本)うーん。成果が出ない原因が本当に在宅にあるのか議論が必要だと思います。逆に言うと、みんな出社すれば成果が上がっていたんでしょうか?在宅での生産性向上やメリットがあるのは分かっていると思うので、その原因はどこにあるのか掘り下げないといけない気がします。在宅でもコミュニケーションなのか、提案内容なのか…、原因を在宅に押し付けてしまうのはやや危険かと思います。
高柳)在宅ワークだから生産性が下がり業績に悪影響が出たのか、掘り下げる必要はあると思います。例えば在宅だと集中できないなどの外的要因なのか、コミュニケーションが取りづらい、精神的な行き詰まりなどの内的要因なのか。一口に在宅と言っても要因は様々だと思うので、そこを分析するのが良いと思います。
■テレワークでの教育や研修はどうしていますか?
坂本)基本フルリモートの状況でファシリテートのやり方、資料の見せ方、新しいデジタルツールの活用法など試行錯誤しています。コロナ禍での一時しのぎというより、この方向で最大限できることをトライする方が将来的に可能性は広がるはずですから。
ただ、新人が入ったチームはローテーションで優先的に出社させて、顔合わせる機会やOJTの機会を増やす取り組みをしています。
高柳)当社でも今年の新人研修は在宅勤務中心でのスタートとなりました。横との繋がりを作ってあげるとか、気にかけてケアするなど必要だと思います。
■テレワークによって、世代別のコミュニケーションギャップが発生していませんか?
坂本)凄くあると思います。でも、これはコロナ前から存在していて、気づいてなかっただけだと思うんです。Face to Faceだと「つもり」になるんですよ。要は、上司がぼんやりした話をしても部下の表情を見て何となく伝わったつもりになる。部下は働いてる姿を見せていれば、上司が理解してくれてるつもりになっちゃう。実はお互い分かってなかったんじゃないの?と。今回、それができなくなって、実はコミュニケーションギャップがあったと認識できたのは、それはそれでよかったんじゃないかな。認識できてない人は、逆に危ない。
清水)ありがとうございます。それでは最後に、皆さんの考えるオフィスのニューノーマルの定義と絡めて一言ずつお願いします。
石崎)オフィスの分散化、縮小化、郊外化が一般論的に語られていますが、メインオフィスのあり方やワークプレイス全体の方向性は多様化していくと思いますから、今後もリサーチを続けていきたいと思います。
高柳)今まで通りのオフィスに戻ることだけが必ずしも良いとは思いません。全社員がテレワークを経験した中で、今後のリモートワーク率や出社率を注視しながら最適なニューノーマルオフィスを検討していきたいと思います。
坂本)難しいですが、今までオフィスというといわゆる“ビルの中にあって皆が集まる仕事場”を指しましたが、ニューノーマルにおけるオフィスの定義は広がっていくと思います。自宅もオフィスだし、サテライトもスタバも、極端にいえば車の中もオフィスになりえる。場所と機能の組み合わせが増えて多様化していくのだと思います。ただ、私も確証があるというよりも迷いと不安の中で動いています。今後も皆さんと意見交換しながら進んでいけたらと思います。
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